Q 動物も熱中症になるの?
A はい、なります。
熱中症とは・・・
暑熱環境にさらされる、あるいは運動によって、
体の中でたくさんの熱をつくるような条件下にあって発症し、
体温を維持するための生理的な反応により生じた失調から、
全身の臓器の機能不全にいたるまでの連続的な病態と定義されます。
犬は体温を調節するために水分を排出するエックリン腺がなく、
足の裏から粘調度の高い分泌物を排出するアポクリン腺しか存在しません。
よって、ヒトのように発汗による体温調節ができず、
パンティング(あえぐような呼吸、口を大きく開けて激しい呼吸)によって
熱を放熱します。
特にブルドック、シー・ズー、パグなどの短頭種は熱中症に陥りやすく、
注意が必要です。
大型犬や原産国が寒い地方の犬種
(シベリアンハスキー、アラスカン・マラミュート)も多い傾向にあります。
症状
高体温になると激しいパンティングがみられ、
重症になると粘膜の充血、意識レベルの低下、
低血圧、神経症状を呈します。
さらに高体温による多臓器不全を起こし死に至ります。
治療
基本的に体温を下げることと輸液です。
一刻を争う事態なので、すぐに病院へ搬送するべきですが、
まずは状況をかかりつけの病院に報告し、熱中症だと判断されたら、
移動時間を考えて体を冷やしながら来院するなど飼い主様の冷静な判断も必要な場合もあります。
予防
五月頃~八月頃に多発する傾向にあるので、涼しい環境を提供し、
常に水を飲めるようにしておくことが重要です。